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春団地 鷺宮西住宅 [俳句]

2022
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鷺ノ宮駅の南口を出て三分ほど歩くと、東京都住宅供給公社(JKK)の団地が我が家の近くにある鷺宮橋まで続いている。この辺りの人は通称「西住宅」と呼ぶ。4、5階建19棟あって敷地はかなり広い。 
我が家から鷺ノ宮駅までは、この団地内の妙正寺川両岸にある遊歩道を歩くことになる。団地には広い庭と公園があり、樹木も大きくそこそこあるので、今となっては、この地の住宅の密集化をおおいに防いでいることになり、ありがたい。
団地集会所には数本の巨桜(おおざくらーは日本三大桜である淡墨桜のようなものをいうがーこの辺にしてはの意。当地比。)もあるので、近年は花見をここで済ませ千鳥ヶ淵、新宿御苑、井の頭公園なども久しく行っていない。

暮れかねる団地の時報新世界
夕方団地のスピーカーからドヴォルザークの「新世界より」(交響曲九番第二楽章)の曲が原曲という「家路」(堀内敬三作詞の唱歌)のメロディが流れる。「遠き山に日は落ちて〜♪」である。暮れかねるは遅き日、永日と同じ春の季語。

見上げれば枝重なりて花天井 
遠目には花天蓋の巨桜
集会所の太い桜枝は、遊歩道の真上を跨いで妙正寺川を覗いている。遊歩道の真下で仰ぎ見ると、枝が層をなして伽藍の天井に見えるし、大きいので遠くから見れば、形の良い樹全体が花の天蓋のようだ。

人気なき雨の団地の巨桜
さすがに雨の日は花の下に人が殆んどいないことがあって、その静けさに驚くことがある。

一昨日(おととい)と昨日のひよどり落花かな
桜には毎日ひよどりが来て花を散らす。鵯は秋の季語。落花は春だから季違い。酒井抱一の句 鵯の花吸ひにくる夜明けかな もあるしよしとしよう。

双鷺橋川面を覗く花枝垂れ
眺むれば双鷺橋詰め花筏
上掲の双鷺橋を詠み込んだ桜の句。妙正寺川の川幅は狭いので流れる花筏は速い。双鷺橋の近くに鷺宮八幡神社とその別当寺白鷺山福藏院が同じ敷地に隣接してある。そこの桜も風情がある。

多作多捨拾ふ句はなし目借り時
駄句ばかりつくる詠み手にも、桜の季節は句材が尽きない。断るまでもないが、駄句は蛙の目借り時のせいにはあらず。
タグ:淡墨桜
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