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半歌仙「夕涼みの巻」 [季節]

  
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      半歌仙「夕涼みの巻」

発句    夕涼み作務衣のなじむ歳となり   俊
脇     誕生祝い贈る籐椅子        俊
第三    どちら似ぞ初孫出来た夢覚めて   俊

四    鏡に向かい小さく頷く      晴坊
五    遠き日やアリスの冒険魔女の月   俊
六 端折 箒立てればくる赤とんぼ     晴坊

裏一 折立 聚遠亭龍野は暮れて秋深し     俊
二    美作までの最終列車       晴坊
三    五日後の歌劇の切符二枚買い    俊
四    あれよあれよの華燭の宴      俊
五    母親が気付き早めの水天宮    晴坊
六    津々浦々に平家伝説        俊
七    寒の月隠し砦を覗きをり     晴坊
八    どんぐり探し雪を掘る栗鼠     俊
九    オーロラに観測隊も舞い上がり  晴坊
十    農協本店旗翻る          俊

十一    万人は一人のために花の束    晴坊

挙句    国士無双であがる春宵       俊

「発句で、ある年齢に達した人物が、夏の夕涼みから秋冬と旅をして、夢をみて、運にも恵まれて国士無双をあがるという、これからの楽しみにもつながる春の宵を迎えている・・・。連句は、ここまで詠み込む必要はないのでしょうが、こう詠んでもさしつかえない展開です。」満尾を迎えたときに捌人・岡田宗匠がまとめてくれたいわば総評である。満尾というのは、歌仙の終了のこと、捌人とは、歌仙を巻くときのリーダーと教えて貰った。
 実は、挙句をまかされて、初案「九連宝燈(チューレンパオトウ)あがる春宵」のほうが萬子(まんず)ばかりなので前句(万人は・・)との付きが良いのではないかと悩んで相談したとき、国士無双のほうがおおらかでよい教えてくれたうえで、上記の総評をしてくれたのである。
今考えるとたしかにチューレンパオトウでは、付き過ぎであろう。この「付く、離れる」はなかなかどうして難しくまた、付けるものはたくさんあり、どれを付けたかで次の展開が変わる。そこがまた面白味であろう。
 自分を詠むか、他人を詠むか。場所を詠むか、千差万別捉えどころがない。式目で季節、花、月の座、恋などを決めてあるのが手掛かりではある。しかも全体で序、破急もあってバランスもそれなりになければ、とは・・!
難儀なことではある。
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