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自画像 [絵]

2012年   

 何で読んだか覚えていないが、次のようなフランスの小話があるそうだ。
 「パリの街角で名のある画家が絵を仕上げたところへ、ひとりの老人が来てちょちょっとその絵に手をいれたら、見事な名画になった。画家が立ち去ろうとする老人に、せめてお名前をと訊ねると“ポール・セザンヌ”と小さく答えて雑踏に消えた」
絵というのは、最後の「ちょちょっ」が大切であり、凡作と傑作の差、凡庸な画家と巨匠の差がそこにあると言っているのだ。

 カルチャー水彩教室で自画像の練習をしたとき、出来上がって眺めていると、先生が「これは顔を描くときの基本です。」と仰りながら、ちょちょっと鼻の頭の下、下唇の下、顎先の下に影をいれ、上唇を少し濃くされた。
 すると、老人の顔が一変してイケメンの青年風となり、老醜までも消えたので吃驚した。 ご指導拳々服膺すべく、その後手を入れずにそのまま完成とした。
 そこで、かのフランス小咄を思い出したのである。むろん名画になるわけはない。
12zigazo2-111.jpg

淡彩の美男自画像妻呆れ

自画像や己惚れ鏡こわれけり      


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